インドネシア大統領選挙の行方は?

4月17日の投票に向けて2か月を切りました。今年は国会議員選と大統領選が同時に開催されるため、政界が大きく変化する可能性があります。今年は2014年同様
ジョコ・ウィドド(ジョコウィ)、プラボウォ両氏の一騎打ちとなる。 前回の大統領選挙はジョコウィ氏が20%以上リードしていたが投票直前でプラボウォ氏の追い上げもあり、6%の差と僅差の戦いが繰り広げられた。

この国の歴史上、有権者の直接投票による大統領選は今年で4回目だ。従来、大統領選は国会議員選のおよそ3カ月後に実施され、諸政党は十分準備ができたが、今年からは同時開催になるため、人員および資金の手配で厳しい戦いとなることは必至だ。

しかも国会議員選では得票率4%が議席獲得の最低条件となっている。最近の世論調査によると、現在国会議席を有している10党のうち、確実に4%以上の支持率を得ているのは5党に過ぎず、およそ半分が議席を失う可能性がある。その背景にあるのは、「コートテール効果」だ。これは、知名度が高い大統領候補を擁立した政党や議員候補は人気にあずかって票が伸び、それ以外の政党の支持率が下がるということだ。

この効果の最も大きな恩恵を受けているのはジョコウィ、プラボウォ両氏の支持母体、闘争民主党とグリンドラ党だ。最近の支持率調査では、闘争民主党が20%台、グリンドラ党が10%台で、ゴルカル党(10%台)、民主党(4~6%)、民族覚醒党(4~6%)が続く。これらのうち、ジョコウィ氏支持が闘争民主党、ゴルカル党、民族覚醒党の3党で、グリンドラ党と民主党の2党がプラボウォ氏支持だ。

国会の与野党数(議席率)は、与党6党(60%)、野党4党(40%)だが、選挙後、政党数が半減し、二大政党制に一歩近づく可能性が高い。

NNAニュース

正副大統領候補が決まった昨年8月以来、ほとんどの支持率調査でジョコウィ氏は50%台を維持し、対するプラボウォ氏は30%台にとどまっている。こうした結果からは、「ジョコウィ氏、断然有利」との印象を受けるが、必ずしもそうではない側面もある。

「庶民派大統領」として国民の圧倒的な期待を背負って14年10月に発足したジョコウィ政権の実績については賛否両論がある。

ただ、14年と異なり、今年の選挙戦ではジョコウィ氏個人に対する中傷は減少し、経済政策の成否が焦点となっている。

今のところ、全体的にはジョコウィ氏再選の可能性が高いが、今後の選挙戦次第では、プラボウォ氏の支持率が急上昇する可能性もある。中でも目が離せないのは、投票日まであと3回実施される大統領候補公開討論会、3月24日から解禁になる大々的な選挙キャンペーン集会、さらには激戦地、ジャカルタや西ジャワにおける両陣営の選挙戦だ。

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